多重人格者の君と性同一性障害の僕
作詞 妖花
「どっかいけよ気持ち悪い」
僕はずっと前から家族にもクラスメイトにも
「気持ち悪い」と言われ続けた
そりゃそうだよね
本当は女なのに男だなんて
僕の人生の歯車はこの時点でもう狂ってるんだ
僕は生きていても意味がないから
本当は男に生まれたかったのに
普通に生きたいだけなのに
そんなことも許されなくて
毎日増えていく手首の傷
周りに打ち解けられなくて
僕になんか生きている価値なんかないって
フェンスを乗り越え下を見る
そして目をつぶって前に倒れ込む
一生スカートを履いて生きるなら死んだほうがましだって
落ちる感覚
そんな中体全体に振動が伝わって
僕の体はフェンスの後ろに戻っていた
「おちなくてよかった」って
無邪気に君は笑う
「好きな人がいなくなっちゃうところだよ」って
君は女の子でそして多重人格者だって
いじめを受けてて親は殴ってきて
妹には貶されるって
とんでもないことを言う君の目にはまだ
少し光があった
君の中のひとりは怖がりで
もうひとりはすぐに怒って
ひとりは腹黒で
そんな君はやっぱり生きづらいって
涙一つ流さずにそんなことをさらっと言う
夜の星は本当にキレイで
その夜だけ泣いて屋上に君は来た
もう生きているのが辛いって
僕は君の手を引いて空に一緒に風に乗った
逆さまになりながら僕達は笑いあった
次は男で普通の君に会えますようにって
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