【シングルマザー】
作詞 GABA
あなたを待ってもう何年になるかしら
毎日毎日毎晩毎晩
何してるのと化粧を落とし
長い髪にクシを通して
裸電球で顔を手鏡で覗き込み
四畳半の畳の布団の上で
三人の子供の寝息が
トタン屋根をたたく雨音と一緒に聞こえる
手鏡を膝に置いて
この先どうやって生活していこうか?
壊れかけた雨戸から
見えるおぼろ月に向かって
ボロボロの畳を見ながら
唇を噛みしめて
涙流しながら
『あなた』
とうなだれて
いつの間にか
子供達と一緒に横で
えびのように眠った
朝の2時に起き
子供達の布団の乱れをなおし
3人の子供のランドセルを準備して
教科書の筆箱やノートをそろえる
自分の髪を一つに束ねて
すかさず歯を磨いて顔を洗う
そうしているうちに
午前6時になり
私はタオルではちまきして
布団たたきで3人の子供をたたき起こす
私は着替えさせて制服にして
『順番でトイレの前で並べ』
私は大きな声で3人の子供達に怒鳴る
すると3人の子供達も
『は〜い』
という長男
『いやだよ』
という長女
『え〜ん』
と駄々こねて泣きじゃくる次男
そうしてるうちに
前掛けつけて
昨夜のご飯を
三つのお椀に
三つの卵を冷蔵庫から取り出し
それをぶっかけて
コップを三つ出し
水を入れて
食台に出す
『御馳走様でしたお母さん』
私が
『食べた後はお椀と箸とコップはなおすんだよ』
と言うと
子供達は
『は〜い』
そして私は
ランドセルに帽子と靴下と靴とうわばきの手さげ袋を
準備するのを頭に入れて
全部揃えて
『よし』
と手を打って
玄関から3人の子供達を学校に送り出して
洗濯でもと思ったら
ふと
『お母さん』
玄関口から声がしたから
私が振り向くと
長男が舞い戻ってきて
私が忘れ物のでもしたのと聞いたら
『ちがう』
と急に真剣な瞳で私をにらむから
『お父さんはいつ帰ってくるの』
と大きな声で怒鳴るから
私は長男をしっかり抱きしめて
微笑みながら
長男に説き伏せるように
あなたが
『この田畑家のお父さんよ』
と言ったら
長男は
『うん』
と頷き
そして
走りながら
手を振って
大きな声で
私は
『いってらっしゃい』と
それで
『車に気を付けるんだよ』と
送り出した
私は部屋に帰り
古い柱に
両ひじついて
大泣きしてしまった
随筆の途中ですが
もうこれ以上GABAのシングルマザーは書けません
涙がノートにしたたり落ちて・・・・・
右手に持っているペンが
小刻みに震えて・・・・・
『ご・め・ん』
文字が涙に滲んで・・・・・
『ご・め・ん』
そして大事な妻と宝物の子供達に
伝えたい事がある
病気だったからですよ
そしてGABAの病気は一生続く
だけど障害者としての
今からの若者に対して
こういう家族が
世界の奄美の笠利の片田舎で
頑張って息絶えて
そして這いつくばりつんまり歯を食いしばりがら
GABAはこの世を去りたい
追伸
僕たちみたいな不幸な家族は
氷山の一角とは知ってますけど・・・・・
布団にくるまっても寒い
家族と一緒に最愛なる妻と
宝物の子供達と
かわいい孫達に囲まれて
一生送りたかった
令和5年12月18日
随筆GABA
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