|
|
|
夏影の跡
|
作詞 辻由也 |
|
だいだい色に染まる
灯篭流しを見送る人の群れ
となり同士ぶつかって
流れるたびその心の灯を揺らす
あとすこしで指がかかりそうな
ほのかに香りたつ まぼろし
時々がんばろうとしている
だけどどこかで諦めている その右手
ささやかな陽炎
追いかけても遠ざかっていく
もう昔みたいになれないから
さよならを言いに来た
だってそれはそれはただの憧れ
もしも「かみさま」がいるのなら
大人になる時間を早めて
投げやりになる子ども心が
なにかの弾みで逃げ出そうとしている
わかりあえない想い
魂と体が反発し合っているみたい
生き急ぐ恋心 せつないほど
大人びようとしている
そうやって強く惹かれていた青枯れ
かざぐるまひとつ回すくらいの
そよ風にさらわれてみたくって
そんなやさしさをこの身に浴びて
ひとり 丘の頂に立てば
いつの日もそこに映っている
慰みものの夏影の跡
ささやかな陽炎
追いかけても遠ざかっていく
もう昔みたいになれないから
さよならを言いに来た
だってそれはそれはただの憧れ
|
|
|