文(aya)
作詞 零翔
明日を見つめる
異形の瞳
右翼は骨と化し
液体になった左翼から
億の蟲が湧く
影踏みの途中一つ一つ
消えていく姿
腐った布が被さって
煙に紛れて
子どもになった
刺さりそうな刃に
死を覚悟し
寸前で止まるそれを
背中の翼で跳ね除ける
その眼が紅く染まっていても関係無い
高らかに哂えばいい
血の香りしかしないこの部屋に
包まれて落ち着くわたしを
天を仰げど見えるのは
止まることを知らぬ闇ばかり
泣くことさえ諦めた
苦いと思った液ですら今は快楽
濡れた體は意思を持たず
眠ることだけを続ける
望みすら持たないわたし
灰色の空に埋もれる
光は此処から見えない
ふりかかる埃の塊に
反吐を滲ませ
仄かに香る薔薇の香りへ身を委ね
曲がった鉄格子の隙間から
見上げる巨大な影
咽るほどの煙草の煙
目からは涙が溢れたけれど
もうわたしに心は無い
闇に足をつけ
行方も分からぬまま泳ぎ渡る
汚れた右翼には黴が生え
私はこのままで
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