涙と
作詞 鼬と獺
僕の目には何も見えない
僕の瞳には気力がない
僕の目の前は何にもない
僕は使えない目を自ら捨てた
目を捨てた僕は心の中に逃げて
逃げこんだ僕に僕が囁いた
囁く僕を否定したくて
心のなかで膝を抱いた
僕の心は荒んでいって
僕の中身は朽ちていった
僕は僕を消してやりたくて
僕の事を忘れていった
視界は閉ざされ
見えない世界にはもう何もない
僕のそこは錆付いていて
モノクロ、セピアで
赤青なくて
心の内の寂しさ空しさ切なさ悲しさ
あらゆるものをごちゃまぜにした
そんな汚さに染めあげられた
そんな中 君は現れた
忘れさられた僕を拾って
目を捨てた僕に会いにきた
そんなものもう見たくはないのに
君は目を逸らすなとばかりに
僕の内側へ入りこんでくる
逸らす目なんてもう持っていないのに
それでも君のその一言は
僕に全てを与えてくれた
「 」
視界が開けて
見える世界に色がついた
僕のそこは明るくなった
不意に目の前が滲んできて
僕はそれを知られないよう悟られないよう
もう一度開いたその瞳から
涙があふれ出さないよう
色づいた空を見上たんだ
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