『Orthodox7』
作詞 Like VA2
クロスはじきに泣き止んだ。空は虚しいオレンジ色に染まっていた。ハーミットと、クロスは、抽象的な夕日をぼんやり眺めていた。
「これからどうすんだ?地縛霊として暮らすのか?まあ、この世によほどの恨みがない限り、刺激のない毎日には飽き飽きするだろうがな」
「はい。私はこれからどこに行けばいいでしょうか?」
「あー…。ついてくるか?」
「何処にですか?」
「何処って…名前はない。天国でも地獄でもない。何も感じなくなるところさ」
こういうと、大体死人は嫌がる。しかし彼女は、嫌がるどころか喜んだ。
「じゃあ、行きましょうか。連れて行ってください」
意外とすんなりいって良かった。ここからあの場所までは少し時間がかかるが、道中の彼女の話はとめどなかった。
「そういえば、名前、なんていうんですか?」
「俺か?ハーミットだ」
「ハーミット…隠者ですか?」
「は?何のこと?」
「ハーミットって、タロット占いで隠者ですよね。それか英語の意味だと世捨て人」
なるほど。世捨て人ってそういうことか。
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