笑顔を曇らせた
その訳を教えて
君の手の平は
ポケットの中で
握り締めていたのかい

音もないこの世界
散りばめた星空
眺めていた僕は
もう泣くまいと
魂を売り渡した

あとどれくらい
他人(ひと)を見送って
佇めば許される？
コインを投げて
裏表だけの人生

快速電車の踏切は
緋く染まったまま
向こう側にいる君の
声も聴こえなくなる



生きて行く人は
足跡も残さぬまま
静かに息を吐き
信号待ちは不意の
衝動を隠して

忘れてた痛み
ほら知らん顔して
通りすがるだけの
カラスが踊る
木枯らしが憎い


似た者同士だから
俺の耳が欲しいと
剥き出しの欲望に
他もくれてやるさ

それでも来世を
与えてくれる
命ひとつなら
小さな小さな
愛を下さい