それは恋ではなかったけれど
作詞 豆炭
とても大切で 大好きだったんだよ。
貴方のそれとは違ったけれど。
君と出会ったのは 大学一年生。
講義でたまたま席が隣だった。
明るく笑う笑顔に 楽しい会話。
大学で出来た 初めての友達。
好きな映画も
好きなドラマも
好きな歌だって
あまりに同じで
ああこんなにシンクロする人なんて
なかなか居ないって感動したんだ。
とても大切で大好きだったんだよ。
貴方は私の親友だって。
サークルに入って 友達も増えて
でも一番気が合うのは君だった。
LINEのやりとりだけで楽しくて
気が付けば明け方 よくあったね。
好きな食べ物も
好きな動画も
好きな色だって
あまりに同じで
ああもしかしたら生き別れの
家族かもって笑っていたんだ。
とても大切で大好きだったけれど
貴方のそれとは違うと気付いた。
『恋人が出来た』と言った君の嘘。
私は何て返せば良かったのかな。
『本当に?おめでとう』『幸せになってね』
その言葉が 君を傷付けた。
好きな季節も
好きな漫画も
好きな言葉も
同じだったのに
ああそこだけは決定的に
違っていたよ 君と私は。
君と別れたのは 大学三年生。
友達のままで 側に居られないって
『俺を好きになってよ』
絞り出した君の最後の言葉。
貴方が女の子だったら
私が男の子だったら
一緒に居られたのかなあ。
貴方に恋心がなければ
私に恋心があれば
一緒に居られたのかなあ。
とても大切で大好きだったんだよ。
貴方にキスは出来ないけれど。
とても大切で大好きだったんだよ。
私は恋は出来ないけれど。
それは恋ではなかったけれど。
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