僕を置いていかないでくれよ
ずっと一緒だったろ?
”2人で”有名になろうって約束したじゃんよ
あの指きりを、もう忘れたのかい?

ついこないだまで一緒に居た友人は
次の日突然旅人になった
行き先も告げずに
1人で歩き出そうとした旅人

何かに向かうその姿は
まるで僕の事なんて見えてないようで
激しい孤独感
貴方が僕を忘れちゃう日はそう遠くない

僕も一緒に行かせて遅れよ
1人なんて嫌だよ
何度頼んでも旅人は1人で行きたいと言う
あんな眼を見たのは初めてだった
『お前もいつか旅人になる日が来る事を祈ってる』
そう言い残し消えてった


貴方とならばこの夢を叶えられる
そう思ってたのは僕だけか?
かなうと信じてて怠けすぎたのが原因かもしれない

視界に君がいない世界で
僕はこれから先をどう過ごせばいい?
激しい自己嫌悪
君の見えない世界では僕は身動きすらとれない

僕にも歩く力をおくれよ
誰か傍に居ないと
進んでいけないのはおかしい事じゃないと思うんだ
知らぬ間にポッケに入ってた手紙
『お前は一人でも大丈夫。俺が居なくても生きていける』
そんな訳がないだろう


君は今どこにいるのだろう
君は今何をしているのだろう
汽車の中で少しでも僕の事を考えてくれてるだろうか
僕は泣いてます
君に置いて行かれたからじゃない
貴方がいないと何も出来ない自分が
情けなくて泣いてます
泣いてます

僕は今1つ決心をした
君を探す旅に出る
何年かかっても構わない
何の手がかりも無しに感動の再会を果たしてやろう
『探してくれてありがとう。俺もずっと会いたかったんだ。』
お前にそう言わせてやる

リュックに必要な物をつめて
ドアノブに手をかけた
外に足を踏み出すその瞬間
僕も旅人になった

あれ？そういえば

君がいなくても旅人になれている僕は何なんだ？

結局君のおかげなのか？

いろいろ気になったけど汽車に乗り遅れるから
後でゆっくり考える事としよう