蝙蝠
作詞 あわや賜恋
もうすぐ夜です
太陽はこんなところから早く逃げ出したいようです
しかし月は悲しがって閉じこもっています
今宵は新月
縮んだ空中
蝙蝠はこんなところでも依然飄々としています
しかし月が恋しくて泣いてしまいます
今宵は新月
蝙蝠の針が 夕闇を縫って縫って
愛されたがりの綿雲を塞いでいく
白い色なんか大嫌い 脆くて寂しがりで
誰とでも交ざれるからって 手当たり次第に濁してく
「ごめんね」だなんて
電話口で君はあたしを騙し平然としています
しかしおざなりな嘘などいらないのです
「今宵はどなたと?」
蝙蝠の鋏 夕闇を裂いて裂いて
窓の外は寒いから家にいます
小雨など降ればいいですね 秘やかな優越感
口の中で甘くとけて消える ひとりごとは愛の言葉
もうすぐ夜です
君がおっしゃるとおり私はもうお終いのようです
しかし夕闇はまだ途切れそうになく
今宵も暗涙
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