空想の愛
作詞 ほのい伽那
私と貴方の間にある 超えられない壁。
それはもしかしたら 私にしか見えないかもしれないし
貴方にとっては唯の 穴かもしれない。
それでも私は触れることができない こんなに愛しく思っている貴方に
姿は見えても 顔はぼんやりとしててフィルターがかかっている様だ。
何故だろう これ以上ないってくらい私は貴方を愛しているのに。
壁はどんどん厚く、貴方はどんどん 離れていく。
手を伸ばしても感じるのは 貴方の温もりではなく
金属質の冷たさと 切ない感情が滝のようにこみ上げるだけ。
叫んでももう聞こえない 防音の世界。
存在を確かめることなんてできないから 次第に私の心にも疑いの感情が蔓延る。
この向こうに本当に貴方はいるのだろうか? もはや姿も見えなくなってしまった今
居ると信じている空白の真実と 一途な私の想いだけが残る。
どうか貴方もこの壁に手を伸ばし 私に触れようとしていますように。
どうか貴方も一途に私を想い続け いつかは壁を壊してくれますように。
どうか貴方も私の名前を叫び続け 愛しいと抱きしめてくれますように。
この壁が壊れたときは 私はどうやって貴方に何を言おう?
照れくさそうに下を俯く? ただ泣き出しそうな顔して抱きつく?
そんな私の幸せな想像を打ち砕くかのように 壁は日に日に厚く冷たく
私の前に立ちはだかる もしも二人同じ気持ちならば
何故壁は消えないのでしょう? 愛し続ける今も立ちはだかるのでしょう?
何故姿は見えないのでしょう? 愛するあの人を見ることをできないのでしょう?
何故音もないのでしょう? 私の言葉は届かないのですか?
答えなんかわからない いいえ
もしかしたら私は最初から知っていたのかもしれない 貴方と会ったときから。
壁が消えないのも貴方が見えないのも 声が聞こえないのも全部、全部。
私一人だけの 虚しい空回りな愛だったから。
だからこの壁は 消えないでいつまでも
私の前で “拒絶”し続けているのかもしれません。
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