夏雨
作詞 莎雪
骨が折れた傘を 未だ使う理由は何?
鼻につく湿っぽいにおいを
吸い込んで顔をしかめるんだ
毎朝 毎夕 チェックする予報
空に怯えながら外に出る理由は何だ
濡れてはいけない 汚してはいけない
壊してはいけない 失くしてはいけない
振り払った雨粒は手応えもなく散っていく
この形なき痛みを、もどかしさを
持て余したまま僕ら晴れ間を待つ
ぶつかり合いながら 水溜り避けるのは何故?
うつむいて貫く無関心
聞こえない愚痴を吐き捨てていく
毎朝 毎夕 やり過ごす言葉
人に怯えながら綺麗に笑うのは何故
触れてはいけない 傷つけてはいけない
壊してはいけない 泣いてはいけない
拭い去った雨粒のぬるさがなぜか恋しくて
今 照らされた孤独を、心細さを
曝け出したまま僕ら息を止める
どしゃ降りの雨に打たれて
軋む心がほどけた気がした
涙が溢れて溢れてきて
止まらないことに笑ったんだ
濡れたっていいよ
汚したっていいよ
壊したっていいよ
泣いたってきっと何も失くさないから
伝い落ちた雨粒のぬるさがとても愛しくて
ただ ありのままの僕を、不器用さを
曝け出せる小さな強さが欲しいな
振り払った雨粒は手応えもなく散っていく
この形なき痛みを、もどかしさを
抱きしめたまま僕ら今日を生きる
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