昨日見てたのは　手探りで歩く空蝉
その中で見てた　少し伸びた君の姿に　遠くへと手を伸ばす

たくさんの嘘で彩って　季節に流されると笑ってみせた
渇いた声で傷つかないように　その方がいいような気がして

黒い空に吐き出されそうで　曖昧なまま奪われてく
君が嘘をつくことを諦めた日に　僕は攫われてく

失った今でも

小さな手　纏う匂い　会いたいんだ　見えなくても
いつか君が　僕の事を失くしても
僕のために　伝えたくて　叫びたくて　叫んでるよ
そして僕が　君の腕を掴めたら
そうだ僕は消えてんだ


昨日知ってたのは　目障りを招く黒猫
この中で鳴いてた　少し過ぎた淡色の影に　響くように振り返る

夏の夜に騙されそうで　平凡なまま奪われる
僕が嘘をつくことを諦めた日に　君は攫われてく

何ひとつ伝えてないのに

小さな手　纏う匂い　会いたいんだ　見えなくても
いつか君が　僕の事を忘れても
君のために　泣きたくて　泣けなくて　笑えないよ
そして僕が　君の瞳に映れたら
そうだ僕は消えてんだ


小さな手　纏う匂い　会いたいんだ　見えなくても
たとえ君が　僕の事を失くしても
僕のために　君のために　泣きたくて　笑いたくて
そして君が　僕の手を掴んだら
そうだ僕は生きてんだ