絶望走者タイプA
作詞 冬子
拝啓。
そうですねまず僕の話をしましょう
生まれた時は他の子供より一回り小さい子供でした
幼稚園では元気一杯に他の子供達と駆け回っていました
小学校でも元気一杯でクラスの人気者でした
中学校で窓から飛び降りました
高校でリストカットを始めました
大学は中退しました
社会に出たら引きこもりになりました
そんな僕だけど精一杯生きています
頭上から大きな絶望が奇妙な笑い声を上げながら毎日手招きしていますが
僕は元気です
敬具。次会うときはもう一回り身長が伸びているといいですね。
暗いくらいクライと僕は毎日もがいていました
四方八方囲まれた壁からは冷たい隙間風ばかりが吹いています
一日三回運ばれてくる冷めた飯もどれも喉を通りません
しかし僕は元気です 本当です
僕は少し前に絶望のバトンを回されました
そのバトンは拒絶は出来ず
仕方なく僕は無限に続く グラウンドを駆けています
ですが次のランナーはいません
無限にただ僕だけが走っていきます ああ くらい
暗いくらいクライと僕は毎日もがいていました
四方八方囲まれた壁からは隙間風と
たまに聞こええる小学生の笑い声だけが響いています
僕は絶望のバトンをまた回されました
これで走る量がこれまでの二倍です、おめでとう僕
無限に無限に続いていきます ああ くらい
グラウンドは朝になり 昼になり 夜になり
寒くなり 暑くなり 蚊に刺され 転んで 転んで
春夏秋冬越えましたが
まだ僕は走っています
暗いくらいクライと僕は毎日もがいていました
一日三回の飯ももう運ばれませんが
変わりに誰かのすすり泣きが毎晩聞こえてきます
ですが僕は元気です 本当です
絶望走者タイプA
無限にこの道を走っていきます、みなさんさようなら
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