現像できないままのフィルム
捨てきれずにいた
色あせていく日々を 僕は
閉じ込めたままで

一緒に撮ろうよと言って
２人頬よせた最後の笑顔

別れを告げた電話
受話器をとった君の
忘れられない　少し照れた声

後悔とともに育ってしまった
プライドさえも
あの日に戻れるのなら すぐに
捨ててしまえるよ

「まだ好きでいてもいい？」
胸をしめつける 最後の言葉

君は僕をずっと待っている
そんな祈りを何度もかき消した

今さら好きだなんて
ピント外れな言葉を
もう伝える方法(すべ)もなくて

記憶の中の君は
受話器の向こう側
震えた声で 今も泣いている