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かげろう
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作詞 工工声 |
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道に迷ったわけじゃないけれど
ここはとっくに闇のまんなか
レンズを絞る映写機に似て
切り詰められる胸の灯火
その炎を吹き消さないでおくれ
ただ一つ熱を持つ想いだから
おぼろげなまま遠くなるひと
苦しいほどの想いはかくれんぼ
幻なんて甘い言葉じゃ
別れを言うに言えない陽炎よ
どうか…どうか…
最後に一目見させて
ゆくりなくも出会ったひとだから
花のようにあえかなひとだから
朝な夕な追い求めてみても
そよそよと優しく揺れるばかり
さざ波を聴きながら立ち呆ける
一輪の日除け傘よ振り向いて
海の彼方に沈む夕日を
一点に見つめるほど恋しい
涙流して物悲しくて
涼風をこの身に抱き寄せた
だけど…だけど…
記憶は今もぬけがら
短夜に浮かぶ月を一撫で
曲線を滑り落ちて落ちて
夢のような刹那よ永遠に
ひとは一つの心なのだから
おぼろげなほど美しいひと
いつの日も想いはかくれんぼ
ねえ、もういいかい?
いいや、まだだよ
別れを言うに言えない陽炎よ
どうか…どうか…
最後に一目見させて
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