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多発性硬化症
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作詞 川上春来 |
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薄ら惚けに 頭に残る
優しい姿 光る笑顔
もし声が出るのならば
君に伝えたい この軌跡
シナプスの膜が剥がれ
アタシの記憶は消えて果てる
ならばいっそう君のことを
忘れてやろうと思ったんだ
今、覚えている 君の顔は
鮮色の目と震える口
泣いているようなその睫毛と
無理やり繰り出した笑みの顔
嫌いだね (全て) 嫌いだね
言い聞かせても消えないピンク
「消えてくれ」土下座で願っても
くだらないことだけ消えていく
視界がだんだん狭くなり
ついに何もない世界へ
手足まで判別出来なくなり
立ち上がる場所さえ見当たらない
いつか君が言った言葉
「素敵な友達が欲しいな。」
「もし病で寝込んだら
見舞いに来る友達がほしい。」
行かないよ (絶対) 行かないよ
もし君が不治の病でも
「逝かないで」どんなに願っても
その時は必ず来るんだから
日本人は女性の方が
ずっと生き長らえるらしい
200年前から受け継がれた
変わることのないこの記憶
君が先に逝くと言うのなら
見えない手足で送りにいこう
何十年後かも分からない
その小さな約束が
消えずにそこにあるのならば
必ず送りにいくよ
薄ら惚けに 頭に残る
君の笑顔 優しい時間
もし声が届くのなら
誰かに伝えたい この軌跡を
この思いを 唄に乗せて
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