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普遍
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作詞 羽依 |
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かつて こんな喜劇があったでしょうか
目をそらすな 面をあげろ
赤いマントはもう流行らない
生憎 娯楽は苦手なもので
樽に眠っている上等なワインより
猫が舐めるような甘い酒のほうが
ずっと風流な気がしてならないのだ
紳士は華美に闊歩するのではなく
首筋にふわりと 香水を嗜むのが良い
やがて 僕らの秘密が晒されるでしょう
もう良いのだ 飽きてしまった
本当の世界というものは
「おやすみ」で扉が開くのである
人が口を揃えて唱える希望より
くたばった敗者がこぼす絶望のほうが
ずっと優しいもののように思うのだ
淑女は艶やかに紅を飾るのではなく
静かにそっと 睫毛を伏せるのが良い
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