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はなうた
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作詞 polca cat. |
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返したいものがあるから
うちまで行くよ と メールした
本当は たいしたものじゃないけれど
四つ角 曲がって
青い屋根のアパート
剥げたペンキのドア
合鍵 使うのも今日が最後だなぁ
あれ?
すこしだけ しんみりしてきた・・・
ドアを 開けたら
いつもどおりの 君と部屋
なんだか ひょうしぬけ しちゃうよって
つぶやいてしまった
聞こえたかな?
笑う その顔を見つめたなら
何も 言えなくなって
ぎこちなく 笑い返した
大きな手のひらに
合鍵をのせて
はやく 帰っちゃおうかな
でも 最後だから
ジュースでも 一杯飲もう
いつものように
いつものように・・・
まるで 水だけの水槽のような
思い出がつまった部屋
硬いシングルベット
色あせたポスター
なくなるのは 私だけ
ジュースのコップが
汗をかく
ふたこと みこと
ちいさく 笑う
そろそろ ベランダから 差し込む光が
赤く染まってきた
たわいない話も つきたから
重い腰を上げる
また いつか なんて
手を上げて
あっけなく さよならをして
君と歩いた道を
ひとりで歩く
なんだか 少し 胸がしめつけられて
早足で歩く
こんな姿を見せたくないから
まぶしい その瞳に
見つめられたいと 思ったのは
なぜなんだろう?
手に入っても
持て余してしまうと 分かっていたのに
赤と青が混じる
空を 見上げ
思い出 解き放してみるけど
ひとつ
ふたつと
出ていくごとに
涙が 頬をなでる
・・・もう やめよう
調子はずれの はなうた うたう
唇から 空へ 飛んでいく
また 求めるまま
恋すればいい
心地いい人を
探せばいい
それまでは
ひとりで 歩いていかなきゃ
「ひとりでも
歩いていかなきゃ」
つぶやくと
心が 軽くなってった
飛んでいく はなうた
音符は 夕焼けへと 混じってゆく
混じってゆく・・・
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