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母風
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作詞 星砂 |
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この歌がお前に届くように
俺は必死に声を涸らすから
お前は俺の声が聞こえたら
風でもいいから肩叩いてくれ
うだるような夏の暑い日に
俺らは幸せ誓ったな
あれから二回も季節廻って
その度に暑さが増していく
そう言えば去年の今頃は
でかい腹のお前と海に行ったよな
母親になることを忘れて
子供みたいにはしゃぐお前の顔を
あの日の夕焼けと一緒に思い出す
「頑張れ」と見送った俺らの最後
お前には重荷だったのかな?
不器用な俺はもう「好き」だと言えない
ただ…お前の形見を愛するしか…
我を忘れて泣いた日から
あいつも俺も大きくなった
お前によく似た綺麗な目に
鼻から下は俺に似ている
やきもち焼くかもしれないな
俺はどこかの親バカみたいにあいつが
可愛くてしかたなくってさ
「ゴメンな」俺だけあいつ一人占めして
でも悔しかったら戻ってきてくれ
見つけた家は広すぎるみたいで
たまに写真立ての中のお前に
この俺が話し掛けているなんて
笑えるぐらい不思議なことだろ?
いつかあいつがお前の代わりに
命を授かったと知った時は
お前はあいつを産むために生きた
そう伝えるから我慢してくれ
きっとお前ならわかってくれる
勝手な解釈が間違ってたら
遠慮なくぶつかってきてくれよ
お前の風なら受け止めるから
この歌がお前に届くように
俺は何度でも声を涸らすから
お前のいるところに届いたら
風でもいいから肩叩いてくれ
お前の風なら受け止めるから
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