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空白の鍵括弧
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作詞 きなこ餅 |
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光の抜け殻が夜に佇んでいて、
あまりに寂しそうだったから、
ぼくはベランダから声をかけてみるんだ。
理科の授業はそれ程好きでもなくて、
星座はオリオン座ぐらいしか見分けもつかないや。
ぼくもそんな「その他」の存在なんだな。
願い事がぱっと浮かぶような、
眩しい生き方が、できない。
淡い色でぽっと消えるような、
空っぽの言葉を、一回目。
光る街頭の線を目で辿って、
どこにも行けるはずなんだよな。
ぼくの始発駅は錆だらけになっていた。
いつか終わりが来るならどうだっていいや。
それでも、他人の目ばかりが気になる情けなさは、
いつまでも消えちゃくれなくて笑える。
楽しさの反動が寂しさなら、
鮮やかな色なんて、いらない。
モノクロのアルバム捲るよう、
空っぽの言葉を、二回目。
ネオンの光はうそ臭くて、
ぼくは雑踏の中で溺れてしまう。
でも、届かないなら、
あの光だって、意味ないよな。
抜け殻をぱっと消してしまう、
眩しい朝日では、癒えない。
昏い夜へそっと目を閉じたら、
空っぽの言葉を、三回目。
すぐ流れて落ちてしまうんだろう?
それでいいからさ。
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