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鯨鯢
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作詞 MAGURO |
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52ヘルツで「愛してる」を歌う
いつか赦されるまで
波打つ鼓動が海の底に融けて消える日に
深く、まだ、朽ちる骨にヒトが群がればいい
僕らは
死体を重ねて
死体を重ねて重ねて
死体を食べて生きていくんだ
舌にこびりつく命の後味が不味くても
臓腑に積もった誰かの憎悪も消化して
僕の祈りの糧になってしまった
死体が産声を洗い流す目の美しさを
記憶から外したいんだ
52ヘルツの「ありがとう」は透明
どうせ許されないの
響いた呼吸が廃れた線路に座礁した
遠く、まだ、膨らむ肉が開かないよう忍ぶ
僕らは遺体を累て
遺体を課さねて科さねて
遺体を飲んで生きているんだ
喉をぬるく伝う命の残り香が不快でも
生傷を覆った梔子の未練を剥がして
僕の皮膚に痕を刻んでいくんだ
遺体が痛いを削ぎ落とされて美化されていく
やがて、あなたは死に続ける
僕らは
死体を重ねて
死体を重ねて重ねて
死体を食べて生きていくんだ
舌にこびりつく命の後味が不味くても
臓腑に積もった誰かの憎悪も消化して
僕の祈りの骨になってしまった
死体が産声を洗い流す目の美しさを
記憶から外したいんだ
あなたは思い出の中で
鮮やかに生きている
嘘ほど都合よく生き続ける
あなたの声がする、あれ、こんな声だったかな
思い出じゃなかった、僕のための妄想だった
僕が言われたいこと、望まれたいこと
あなたの息の根を恣に奪ってしまった
あなたを塗りつぶしたのは僕だ
本当はあなたを思い出せなくなっていたことにやっと気づいて
「もう会えない」ってやっとわかったんだよ
「会いたい」の意味を知ったんだよ
52ヘルツであなたを呼んだ
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