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夫婦の時計
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作詞 鈴音Aya |
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「ねぇ、二人で行ったあの場所覚えてる?」
ふいにそんな事を聞かれる
普段のあなたときたら
真夏の暑い時なんて上半身素っ裸で過ごしていて
反抗期真っ盛りの娘から
クサイだのキモイだのさんざんな事言われてる
そんなあなたが私との記念日になると
おしゃれなスーツ着てネクタイ締めて
私を高級レストランのディナーに誘う
まるで私といちゃいちゃ出来る機会を狙っていたみたいに
そんなところも可愛いと思えるほど
私ももうおばさんになったのかしら
「はい、もしもし。」
ふいにそう言って電話に出る
家に居る時のあなたときたら
思春期真っ盛りの息子と一緒に
雑誌やスマホで綺麗なお姉さんを見ては
二人でニタニタ笑って
男同士のくだらない会話を楽しんでる
そんなあなたが会社からの電話で
急にサラリーマンの声になる
頭をペコペコ下げながら
リビングから静かな部屋へ移動して行く
あなたを見て
あぁ 私の夫はこんな風に社会の中で頑張ってるんだな
と思う
そんな事を考えるほどやっぱり私はまだ乙女なのね
あなたのゆるいところも格好良いところも
どちらも大切に思ってる事はきっと私だけの秘密
これからもそのままのあなたでいてさえくれれば
それだけで良い
ロマンチックなんて、要らないのです
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