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十曜の月と其の司なる種族達
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作詞 あかさてな |
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始原の混沌より生まれし世界
十曜の月が仄明るく輝き
月に宿る精霊神達は
自らを崇め奉る存在を求めた
其処で目を付けたのが生命の樹であった
世界の中心にて大きく聳え立つ
生命の樹に生りし実より
此れから生まれるであろう
数多の種族の指導者にして
十曜の月の司なる種族を
精霊神達は欲し祈りの歌を歌った
陽帝の月マヅダーは
最も美しき種族エルフを生み出し
永遠にも近い寿命と才知を授け
全ての種族の長足らしめた
陰帝の月ニクスティータは
最も恐るべき種族ヴァンパイアを生み出し
陰に潜みながら森の掟を破りし者を
処刑して其の血を啜る事を赦した
火帝の月アイニは
炎の如き鬣を持つバルログを生み出し
其の手に炎の鞭を持たせて
枯れて朽ち果てた木々を灰に変えさせた
水帝の月エアは
龍族の血を引くヴリトラを生み出し
水の流れを自在に操らせて
森に恵みの雨を降らせた
土帝の月ユーンベルゲーは
一風変わった美意識を持つノームを生み出し
彼らにしか解らない芸術芸能の才を与え
一つの森に彩りを添えた
木帝の月ガルラーンは
森の木々の守り人として樹木そっくりなエントを生み出し
此の種族達に忍耐と我慢強さを与え
森の木々の成長を見守らせた
金帝の月グーラヴァネーシャは
気難しく頑固なドワーフを生み出し
地下に眠る金属と宝石の鉱脈を掘り出し
美しい細工品に加工する技を与えた
風帝の月ヴァーユは
其の身体から芳しい香りを放つ翼在るペリを生み出し
明晰なる頭脳と最も美麗なる言葉を発する舌を与え
言の葉を風に乗せて伝える役割を担わせた
氷帝の月ブリュームヒルデは
氷雪を自在に操るウェンディゴを生み出し
其の吐息で形あるものを氷漬けにして
保存する事を使命とさせた
雷帝の月アンドゥーラは
頭は鹿、身体は鳥と言うファルファルを生み出し
雲の上より地上を睥睨させては
雷と天候を自由自在に操らせた
この様に司なる種族が揃うと
其の後から数多の種族が生まれ
世界は一時繫栄に満ち溢れた
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