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哀しき恋の物語り
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作詞 あかさてな |
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そう あれは夜明け前の時刻
瑠璃紺色の西の空に未だ月が
淡く白い反射光(ひかり)を映し出す頃
遥か天空の王国より一人の少女
青々と緑繁る大地へと降り立つ
其の少女こそ天空の王国の姫君
正統なる天空の王国の継承者也
大地に根差し大地と共に生きる
農耕と放牧を生業とする一人の少年居たり
少年、いつもの如く朝早くより
羊や山羊を牧場まで追い立てし時
天空より降臨せし少女を見付けたり
少女と少年、此の様にして
初めての出逢いを迎えたり
然し此の出逢いは禁忌(タブー)を犯すものであった
古の時代より天空の者と大地の者
交わっては為らず、との戒め在り
此れを破りし者達に禍(わざわい)在れと
然し少女と少年、此の日の出逢いを契機に
周囲の目を盗んでは度々逢瀬を繰り返さん
夜藍色の帳の中天に黄玉色の満月が懸かる頃
煌く月明りに照らし出されて
初めての接吻(くちずけ)を交し、愛を囁き合い
然し幸福な時間はそう永くは続かなかった
天空の少女は城館(シャトー)の塔の一室に幽閉され
大地の少年は領主の城にて筆舌に尽くし難き刑罰を受け
此の様にして哀しき恋の物語りは
終わりを迎え其の幕を閉じた
其の後、少女と少年がどうなったのか
其の行く末を知る者は誰も居ない
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