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雨ト道化師
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作詞 夏為 |
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曇天からの涙を呑むと
いつも僕の顔には何かが滴っている
それは"雨"なのかそれとも"涙"なのか
雨が降ればいつも泣いていた
雨なのか涙なのか誤魔化せるから
好きに泣ける
だがそんな自分を嫌う僕が居る
泣けずに涙を押し殺し笑っていた自分を
苛まれる自分に刺さっていたのは
雨という恐怖と安らぎだった
だから雨よ降れ
そして止むな空の泣き声
その声で僕を救っていて
止んだ雨に光が差すと
僕の顔に滴るものが光った
雨が泣き止んだ空間に
悶える様な声一つ響いた
日が僕を刺す
冷徹で暖かな光が遂に僕を刺し殺した
「痛いな」
「いたいな」
「イタイナ」
涙と共に眠り
そしてまた僕は嗤う
道化師の様に。
今日も空を観る
其処には雨か光か
毎日の様に過去と天候を上書き保存する
それは何処か自分を何かで覆い隠す様に
雨という隠れ蓑に息を潜め
今日も過去の自分が雨に刺される
「だから空よ救ってくれ」
届く声は煩悶に満ち
苦心に侵され
空に鈍く響いた
でも空からの答え合わせに
救済はなかった
空に嗤われる
僕はまるで
サーカスの
道化師の様だ。
さぁ嗤えよ嗤え
この醜く逃げる僕を嗤え
そして逃げ場なき僕を
その泣き声で救っていて。
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