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No.86
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作詞 歪み |
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その瞬間を覚えているだろうか
夜行性の自己主張で満たされた深夜2時
不規則と規則的な音を奏でる生き物を
さも楽器のように扱って耳をそばだてる
姿を見せると眉をひそめて嫌うのだから
鏡を立てて見せてやりたい
物語の始まりも 中間報告も 修了宣言も
自由意志の形をした 定めの中で廻っている
夢の中で生き続けるということは
ただひたすらに死に続けている
目が覚める度 睡魔を恋しがる
世界の選択とその結果と そのさらに先は
一体どんなものなのか気にならないか
新しいことに怯えている 躊躇いを掴む
きっと 好いてしまったら 暫く感情が軟禁される
抜け出すに時間がかかってしまう
充分よくわかっているからこそ
遠い目で 存在だけを 確認しているばかり
なんの我慢なんだか
考えることを投げ出そうとしている私たちよ
今この瞬間を その瞬間を
覚えているだろうか
聞こえていただろうか
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