|
|
|
訣別
|
作詞 橙 ヨシヒコ |
|
訣別の意味での あの日のことを
今でも ときどき思い出しては
彼女の本心を聞き出せなかった
当時の自分を悔やんでいる
本気なのか 冗談なのか
真面目に訊いても はぐらかされて
全28巻のコミックは
貸したまま それきりだ
がえんじて 自意識過剰な
解釈をすれば そういうこと
やけに一生懸命にしてくれた
やさしく包んでくれた
冗談だと思っていたものが
もしも そうではないのなら
彼女は きっと、僕のことを
好きであったに違いない
ずいぶん遠くの街に
今は住んでいるというメールが
届いたとき、僕は返事をしなかった
良かったのか 悪かったのか
あの日を最後に会っていないから
その日が事実上の訣別の日
そう言われれば そんな気もする
ありふれてはいないしぐさ
観終わったあとに またはじめから
観返してみる映画のよう
あれは そういうことだったのか、と
わかることもあるけれど
たまに見せた いつもとは違う
言葉や声や 気の流れや
光の加減とは また違う
僕を見る目の感じ
火遊びみたいな 2人の恋は
恋だったのかどうかさえ
わからないほど たわむれて
今になって しくしく痛む
いとまごいをされない訣別で
真相は ついに、このまま闇の中
本当のところはどうだったのか、と
聞きただす術もない
|
|
|