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優しい嫌われ者
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作詞 虚無虚無プリン |
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入学式の日は、
緊張が走っていた。
教室の端の席に
君はひっそり座ってた
君の隣は私だけ
これが君との出会いだね
恥は恥だと思わされ
完璧じゃなきゃ笑われる
恥だ恥だと笑い声 それが
弱い私によく刺さる
嗚呼
優しい嫌われ者
やめてやれって叫んだの
それが君の別れ道
この日を境に切り替わる
根も葉もない噂話を
君はずっと言われてた
何度言っても変わらずに
気付けば来年卒業生
それでも平気ってヘラヘラと
いつか晴れるって君は言う
何も見ないで 嘘を信じて
弱い大人は押し付ける
嗚呼
優しい嫌われ者
君はホントに報われない
あの時ゃ お互い笑ってた
何故私は気付かない?
あの日の二日前
君は私を裏門に呼ぶ
顔を少し赤らめて
「大好きです」と呟いた
君の初めての告白
私初めて言われたよ
「私もだよ」って呟いたら
君は涙を浮かべてた
あれから僅か二日後に君は
齢十五で
自殺した
嗚呼
優しい嫌われ者
誰にも知られず散っていく
罪を着せられたラグドール
濡れた羽衣締め付ける
嗚呼
優しい嫌われ者
二目と見られぬその姿
悪魔の皮を被された
天使の顔はもう見えない
嗚呼
優しい嫌われ者
傷を笑顔で誤魔化した
毒を浴びせられた心臓は
ボロボロに朽ち果てていた
ねぇ
優しい嫌われ者よ
どうして相談しなかった?
私に頼って良かったのに
一人で抱えて死んじゃった
死んじゃったら何にもならない
それすら考えられない程
君は追い込まれてたんだね
気付けなかった
ごめんなさい
卒業式の日は、
虫酸が走っていた。
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