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優しき王子
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作詞 明煌羅 |
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昔 ムカシの お話です
東の 小さな 王国に
心優しく 聡明な
一人の 王子様が いました
王子様は 齢14
運命分かつ 双子の姉
次の王位を 継ぐために
男として 育てられた
自身を削り 民を守り
華奢なその背に 使命を負い
決して挫けぬ その笑顔は
まさに 民の 希望(ヒカリ)
「わたしは、負けないよ」
優しき花 凛々しく咲く
その強さ 永遠(トワ)にあれ
民は 彼女に 惹かれ 慕い
嗚呼 今日も 平和な 時が過ぎる
時が巡った ある日のこと
突如 歯車が 狂いだした
西国の 王女が 王国に
怒りあらわに 攻めてくる
不安に呑まれる 民達を
王子様は 支え 励ます
民も それに応え 立ち上がる
それぞれの 思いは 同じもの
しかし 王女の 兵を前に
民は 次々に 殺された
一人 残った 王子様
それでも 諦めない
「君は・・・わたしの・・・」
強き花 凛々しく舞う
滲む 命 気にもとめず
剣を 王女に 振り翳す
嗚呼 その瞬間 視界が消える
捕らえられた 王子様は
王女の前に 連れていかれた
国を滅ぼした 相手なのに
王子様は 優しく 微笑んだ
「君はわたしを 覚えてる?
わたしは 君を 覚えてるよ」
静かな問いを 払いのけて
王女は 王子を 閉じ込めた
知る由もない この二人は
幼い頃に 生き別れた
双子の 姉と 妹だが
今では 過去の 絵空事(ハナシ)
「もう一度、君と・・・・」
清き花 凛々しく咲く
牢で 一人 目を閉じて
王女を 悪だと 言うのなら
嗚呼 その血はわたしにも 流れてる
西国では 「悪」と 囁かれ
孤独の日々を 送る王女
王子様は そんな 王女を見て
一人 決意を 固めていた
処刑の時間が やって来て
処刑台へ 連れられた 王子様
その瞬間(トキ) 隠してた ナイフで
王女の 側近を 貫いた
驚きは すぐに 罵声に変わり
怒りの 矛先は 王子様に
先程まで 「悪」だった 王女は
正義の 英雄となる
「・・・・・・さよなら・・・・」
優しき花 儚く散る
偽の 「悪」を 演じて
王女は 唖然と 立ち尽くす
嗚呼 その瞳に 涙が浮かぶ
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