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吹雪
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作詞 mKn |
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とても寒い日だった。
あなたは約束の時間になっても
僕のもとへは現れなかった。
辺りには雪が降り積もり
もうあの日には戻れないのだと理解した。
唇が冷たく凍えた。
しばらく前に
僕らは絵を見に行った。
あの絵はとてもきれいだった。
あなたは涙を流しながら
”なんて素敵”ってずっと言っていた。
これから行く遠くの町で
何をしているかも分からない。
そんな二人は
そんな僕らは
きっともう出会うこともないのだろう。
悲しいと思ってはいない。
ただ切なくて
もどかしくて
そんな自分が情けなくて。
あなたはとてもきれいだった。
あの美術館でただ一人
僕はあなたが好きだった。
あの泣き顔が
あの横顔が
ただただきれいで
列車が来てしまう前に
忘れたいと思った。
忘れられるはずもなく
心の中で
たくさんの思い出たちへ
手を振り僕は歩き出した。
吹雪がすべてを拭ってくれたような気がした。
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