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病室
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作詞 ゆー |
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有孔ボードの天井が枠だけ残して目の中で揺れている
水底に沈むような意識
もっと深い海に泳ぐ魚が尻尾の影を見せた
壁際のベットに沈むこのまま
バリバリと頭から食べてもらえたら
一緒になって行けるだろうかここよりも遠くに
目の前で躍動した鱗の一部になって
私に流れる赤が少しは滲んで見えるといい
こっそり目を開いて海の底を覗こう
私が小さな声で歌えば
きっと魚は跳ねるだろう
鈍色の泡が月に灯る
お別れを言おうさらさらと
きっと自由に何処までも行けるだろう
カーテン越しのスリッパ声を潜めた囁きが何気なく装う
水底に沈むような体
飢えて泳いできたあなたの糧にならなれるだろうか
体よりも大きく口を開けて
バリバリとひと思いに食べてもらえたら
一緒になって行けるだろうかあの人と離れても
蛍光に点滅した背ビレの一部になって
真っ黒な翼が水面に落とす影を見るだろう
生まれたばかりのクラゲが手のひらを撫でる
私が大きな声で歌えば
きっと魚は速度を上げて
沈む体はボコボコと音を立てる
お別れを言おうサヨナラと
きっと自由に何処までも行けるだろう
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