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或る殺人
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作詞 ゴミ捨て場の猿 |
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もう分かりました正直に言います
僕は彼女を殺しました
なんだか頭がぼっとして
気づけば血溜まりの前でした
そんな兆候はありました
あれは数ヶ月前の僕
人の遺骨を持ち歩く
ある小説を読みまして
なぜか心が躍りました
何でかなんて解りません
急に見る目が変わりましたね
やっぱりそうなるよなぁ
彼女と出会ったのは一、二ヶ月前
仕事上の付き合いでした
いざこざで部署を移ってきた
長髪のその子が彼女でした
彼女は少し影のある子で
同じ匂いに誘われちゃって
自分から話したりしないけど
なぜかその時だけ違った
趣味まで被っていることを知り
ますます親しくなりました
彼女の僕を見る眼差しが
日に日に優しくなりました
僕の心も裸でした
彼女には何でも話せた
彼女も僕には何でも話した
何度も死のうとしたことすらも
彼女は証拠に見せました
二度と消えない手首の傷を
僕も気が動転してしまったか
似合わぬセリフを言いました
彼女は何故だか泣き出して
まなじりを少し赤く染めて
ありがとうありがとうと言っては
柔らかそうな頬を上げた
涙が引き金だったんですかね
ますます仲良くなりまして
気づいたら僕ら手を繋いでました
とても温かかった
本の方も気づけば8割がた
読んでて自分でも惑いました
毎日毎日取り憑かれたように
歪んだ愛の行く先を追っていた
彼女の鎖骨 盛り上がった両胸
何度も夢に見た あったかいその頬も
2人の時間を 増やせば増やすほど
その魅力惹かれて行ったある日
ついに
我慢の限界になりました
あれは、何度目の逢瀬だったか
灰色の朝日が包む部屋
彼女は甘い声で起きました
その日は何だかおかしかった
テレビの音も気にはならなかった
彼女の内の赤に濡れて
あっ、それから、お風呂に入りました。
この話、ニュースになりますか?
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