|
|
|
金魚。
|
作詞 ジャムバニラ |
|
狭い水槽の中でボクは暮らしてる。
ゆっくりとした空気の泡と水草を眺めながらボクは暮らしてる。
ある日、ボクは病気になった。
ご主人様はすぐにボクを薬の中にいれてくれた。
すごく遅い時間までボクのお薬を作ってくれた。
ありがとう。
ある日ボクの体は動かなくなった。
水草とガラスの間でゆらゆら。
ボクは息をすることしかできなくて。
ご主人様はそんなボクにいつも話しかけてくれた。
ガラスごしにキスしてくれた。
とても温かかったよ。
嬉しかったよ。
ありがとう。
ある日、とうとうボクはキレイなひとつの泡になった。
ご主人はボクのためにきれいな飴玉みたいな涙をひとつポロリと落とした。
ご主人様はボクに言った。
「ごめんね。あたしのせいで。ごめんね。」って。
ううん?
ボク狭い水槽の中でキラキラ光るビー玉を眺めてるのとても好きだったよ。
小さな壷のトンネルのなかでお昼寝するのとても好きだったよ。
なにより毎朝ご主人様といろんなお話しするの大好きだったよ。
ボクは幸せだったよ。
短い命だったかもしれないけど。
大切な人を、大切に思ってくれる人を見つけたから。
だから泣かないで。
今度はご主人様の側に生まれてくるから。
だからちょっとしたバイバイだよ。
ボクご主人様のことほんとに大好きだったよ。
ありがとう。
|
|
|