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白傘少女
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作詞 ろいろい |
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落ちてきそうだ 藍鉄の空
淀みの霞 雲か排気ガス
ヘッドライトに 目を刺す痛み
哀しい是は 冬の薫りだ
「雪なんて」と 白い溜息
昔思い出し 痺れる指先
騒めく街に 煙った匂い
煙草は無音で 火を踏まれる
静かに僕らを蝕む ラブソング
誰かに会いたがりながら 彷徨ってる
赤に緑に 無理に飾る店先
落ちて皺になった紙
を、眺めて
傘を打つ柔い雪は 音もなく 溶けていくだけで
傘を持つ少女の泣き声は確かに響く
なんと虚しい聖夜だ
乱雑に行き交う足跡に 遮断する 雪車の跡
マフラーに顔を埋め 手を繋ぎ微笑む恋人達
独り身は 僕だけだ 少女は言う 綺麗な声で
僕は立ち竦み歯を喰い縛り ただ耳をすます
「寒いよ」の声に
幸せの中に不幸せはある
見て見ぬふりでは 済ませられない 青痣
傘を染める綿雪は 音もなく 消えていくだけで
傘を握る少女の震える手 弱い叫び
なんと残酷な聖夜だ
僕はどうすればいいのだ 街の真ん中で
拐う勇気はあるか 自分を犠牲にできるか
少女にとっての幸せとは 僕と同じ幸せか
笑顔のサンタクロース 微動だにしない平和売り
淡雪よ もっと降れ 少女を隠してくれ
無情な人々から 見えないようにしてくれよ
僕も生憎 最悪な大人だ
「どうすればいいのか」なんて
言い訳ばかりの弱虫だ
淡い雪のせいだ 残酷な聖夜だ
淡い雪のせいだ 嘆きのメリークリスマス
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