|
|
|
絶望
|
作詞 中西 清 |
|
何もかもが窮地で
自分の意思で動くことさえ
できない僕の前を偶然
あなたが通りがかかった
いや、僕の体が見えない
何者かに、その場所へと
連れて行かれた
人ゴミの中を導かれる
ように連れて行かれた僕の体
ある場所まで行ったら座り込んだ
久々に見た、あなたは相変わらず綺麗なままで
多くの人に愛されていることが
顔に現れていた
絶望の淵にいる僕を
力づよい目で見つめるあなた
炎のような目をしていた
そして僕が力尽きた時に
あなたは通り過ぎて行った
あなたと私の間に言葉はなかった
あなたと私の間は最初からそうだった
思いって言葉にしなくても
伝わることもあるけれど
言葉にしないと伝わらないこともある
最初から最後まで
あなたと私は他人のままだった
でも、あなたが通り過ぎた後
僕は絶望を絶望とも感じない
強さを身につけることができた
そんな気がする
すれ違いの関係
他人だけど
何かが違う他人
あなたと私の間に
言葉はいらなかったのかもしれない
|
|
|