|
|
|
夏の木枯らし
|
作詞 ともクン |
|
祈り捧げばこの過去を
敬うべきだと説くことですか
祈り拒めばこの過去の
過ちかぞえて問うことですか
あらゆる信念や想いを巻きこんで
夏の木枯らしが足下を吹きぬけていく
今年も見事に澄んだ青空
雲の彼方に微かにヒコーキも見える
数え切れない献花(はな)ひとつひとつに
人の命が帰還(かえ)ってくるなんて
信じられないね
想像も出来ないね
だけど僕の祖父は
いくさに殉じた
いつも祖母から彼の話を
夢中で聞いて育ってきた
だからまだ見ぬ祖父ひとりだけに
一本の献花(はな)は少し隅に
きっとビミョーなこの位置に
とっても慌てふためいている
そんなヤツかもしれない祖父のため
たった祖父ひとりだけのために
僕は祈る
頭(こうべ)垂らせば何もかも
負けたとただひれ伏すことですか
頭上げれば償えぬ
罪を問いかけ負わすことですか
強者の熱弁(かたり)が時を凍らせて
夏の木枯らしに吸いこまれ消えていく
街は無関心なヤツであふれ
某神社ではいつもより大きなクルマ
普段通りのフェスティバル
暑く騒がしく居づらい街を
抜け出して遠くへ
町外れ涼しい静かな霊園
ここに眠る祖父のためだけに祈る
祖母も体調(からだ)を崩してしまい
もう僕は目をそらせない
ならばもう血通った祖父ひとりだけに
桜の花片は数え切れない
誰に守られていたのかも
もう知ることは出来ないから
ただひとり命繋いでくれた
純粋な感謝を捧ぐために
僕は祈る
たったひとりだけ信じてると
僕は祈る
あいまいだけど平和よ続けと
僕は祈る
次の夏また会えますようにと
僕は祈る
僕は祈る・・・
|
|
|