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葵鏡
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作詞 ほつま |
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遥か川下瀬
夕の陽張り付いて
終わる今日を横目に
小石が嗤う
せせらぐ水面(みなも)に
うつる顔(かんばせ)は
楽しい時は微笑み
辛い時は歪んで見える
葉擦(はず)りがささめき揺らめく
木漏れ日に包まれて
ようやく吹く風の調べを聞いた
葵鏡 照り返せ 夢のその先
小々波 打つほどの意気も無く
流れて 去りし儚い夢よ
葵鏡 時止めて ぼくの瞳に
うつる君の横顔がまだ張り付いているから
葉月 結び頃 囃子を遠巻きに
叶う夢と知らずに
笹舟に乗せた
明日の今頃は誰とも知らぬ
童(わらべ)に掬われるか
沈められて川の底方(そこい)か
華やぐ出店がばら撒く
香(か)の罠を抜け出して
冷え地の石段にその身を託す
浅葱参り 多ければいつも弾かれ
足りなば求められ縋られて
走れど 背中(せな)は彼方に消える
浅葱参り 夏深し 紛れようとも
君の夢見るくらいじゃもう
止まらないみたいだ
葵鏡 照り返せ 夢のその先
小々波 打つほどの意気も無く
流れて 去りし儚い夢よ
葵鏡 時止めて ぼくの瞳に
うつる君の横顔がまだ張り付いているから
夏が終わるその時もまだ独りきりだろうか
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