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透明人間13号
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作詞 条峙 |
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消えてしまえばいい こんな僕なんて
その思いに呼応するように 指先の感覚が消えてった
それは四肢の十指から起こった事象だった
指先が段々と消えていって 景色が通り抜けてった
指先から 爪先から 僕の体が無くなっていく
夢にまで見た透明人間の入り口に僕の体は震えていた
「お前なんて消えちまえばいい」
「あんたなんか産まなきゃ良かった」
その言葉の通りになる日が来たのか
いったい僕はこの先どうなるのか
何も知らない透明人間13号
消えてしまえばいい こんな僕なんて
何度も諦めようとしては すんでのとこで踏みとどまった
あの世への入り口をノックする勇気が持てずに
消えることだけ願って祈って 遂に体が透き通ってった
二の腕から 太ももから 僕の体が無くなっていく
夢にまで見た透明人間なのに僕の目から涙がこぼれ落ちた
「早くこの世から消えればいいのに」
「お前の顔を見るだけで吐き気がする」
その言葉を思い出しては枕を濡らした
その意趣返しができるはずなのに
涙止まらない透明人間13号
これから先どうなるのだろう 恐怖がまた僕を襲うんだ
腰が消えて肩が消えて だんだん景色に吸い込まれていく
なんの感覚もない もうすぐ全てが消え去っていく
残るはこの顔だけだ 下からゆっくり 音もなく迫ってくる
「お前なんて消えちまえばいい」
「あんたなんか産まなきゃ良かった」
その言葉がこの意味だったのか
僕はこの世とお別れするよバイバイ
そして消えてった透明人間13号
やがて哀しき透明人間13号
そして次の透明人間はあなたかもしれない
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