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栞
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作詞 Group.A |
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時計の針が静寂に苛立ち音を刻んでゆく
古いアパートの部屋で互いを見つめる二人
金木犀の匂いが窓の隙間を縫うように香る
初めて出逢った時から重ねた月日が消えてゆく
続かぬ恋であることを貴方は私よりも先に
分かっていたのでしょう
気付かれぬように心に挟んでおいた栞を
抜く季節がきたのです
影を玩ぶように夕暮れの道を歩いてゆく
立ち寄ることのない貴方の家の前を通り過ぎる
金木犀の匂いすらしなくなった秋の暮れ
寂しさすら感じ始めた心にそっと押し花の栞を
貴方には私よりも素晴らしい誰かに巡りあい
生きてゆくのでしょう
新しく心の1ページに挟んだ栞には忘却と出発の
しるしがあるのです
取り壊しが決まった思い出の古いアパートに
無意識なまま歩みを止めて零すのは涙
貴方と別れて良かったのかと未練がましく
何かが問いかけてくるのです
忘れられない貴方との日々 貴方との時間
“あの日、心の栞を抜かなきゃ良かった”
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