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少年兵
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作詞 紗散 画宮 |
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並んで座る 静かな海の奥から指す光
朝の風は冷たい 手はきつく握っていた
「明日からあそこに行くよ」 声は震えていた
静けさを引き裂いた 遠い飛行機の群れ
当たり前だけを 当たり前のように 知ったつもりでいたけれど
まだ僕は引き金の 引き方すら知らずに
もし心だけが 怖さを忘れて 壊れていくだけならば
どんなに幸福だろう 隣で キミも泣いていた
鉄の船 指をくわえた子供たちの中で
少しだけ背の高い 僕は後ろ側で
離れていく 港を遠目で ずっと見つめていた
最後まで手を振っていた キミを見つけられず
当たり前だけを 当たり前のように 知ったつもりでいたけれど
まだ僕は明後日の 歩き方も知らずに
もしこの体が 貫かれたなら 熱と悲鳴の先に
痛みを知るだろうか それさえも 運命の火の中
たったひとつ 僕の道 主役はひとりだけ
きっとみんな 同じだよ 流れる血潮も
命の重さも 人の儚さも 知ったつもりでいたけれど
まだ僕はこの人の 痛みさえ知らずに
過ぎていく日々が 掠めた鉛が 当たり前に変わったのら
再会の約束も 忘れてしまいそうで
手足は痺れて 感覚は冴えて 壊れていく心で
思い出に消えていく あの日に「ありがとう」を 言わせて
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