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二人の仮面密会
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作詞 紗散 画宮 |
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どういう状況かもう
頭の中からはみ出してしまったけど
どういう訳か僕の上の
キミが死にそうな顔して笑っていた
意味有り気な情報羅列は
僕にストレスを運んでくるだけで
日常に溶け出した
これは実に醜い世界の物語さ
仮面と一丁前のネクタイで
頭を下げるだけの人生は
確かに平々凡々(ありのまま)過ぎて
救いなんて砕けた幻想
仮面のどこかに引っかかって
落ちない涙を拭こうにも
仮面のどこかに引っかかって
拭えない僕は不幸だろう?
すると
受話器の奥「バカらしいね」
聞こえてきたキミの声が
いつもならば毅然として
乾いているその声が
受話器越しに 僕の鼓膜
微かに湿らせたから
気付いたんだ 開かれたドア
仮面の奥のキミの顔
どういう状況かなんて
頑なな口でも伝えるとかが無けりゃ
そうは思うけど
どうせまた「同情かい? 鬱陶しいね」
ってキミは言うんだろうね
ケトルが泣いたタイミングでもって
キッチンに向かう僕の
黒いズボンの裾をグっと掴んで
キミは角砂糖をオーダーした
「ブラックじゃ無くていいんだ?」
とっさに訪ねた僕の
黒いズボンを今度はパンとひっ叩いて
「甘えちゃダメ?」なんてキミらしくないなぁ
カップの中 溶ける黒は
沈めた純白の箱染めて
灯りの無い リビングの中
沈んでる純白の箱には
中坊から 変えていない
アイツらしいメールアドレスと
すぐその下 キミの指が
「信じられない」と叫んでた
横に座る カップを置く
「どうしたの?」と口を開く
キミは語る 「言いたくないよ」
その一言で十分だった
溢れ出した 雫とともに
キミの仮面をそっと取った
「バカみたいだ」と 呟くキミを
泣き叫ぶキミを抱きしめた
どういう状況かを
理解してしまった小部屋の片隅で
キミは目覚め際に
死にそうな笑顔で「鬱陶しい」って言うんだろうね
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