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カシオペア
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作詞 あかね |
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「ねぇ、あの星は何?」笑いながら夜空見上げる君。
ぎゅっと握る僕の手を、星を指さすのに手放した。
「えぇとあの星はカシオペヤ」君を見つめながら答える。
だけど本当は知らなくて嘘をついた。
その嘘が今の僕を示しているのなら、
あの時の君への返事は、「わからない」がよかったのかなぁ。
いつの間にか消えた君と僕との赤い糸。
所詮見えていないからって目を瞑っていた。
あの日の流れ星を追いかける君の横顔は、
今思い出すと儚い夢物語。
「君は何て願いをするの?」そう言う君の横で、
僕は空を見上げて目を逸らしてた。
「えぇと、そうだなぁ……うん。」自己完結の台詞。
結局何なのと聞かれても考えていなかった。
あの時キザな台詞で笑いの一つでも取っていたなら、
まだその曖昧な関係は続いていたのかもしれない。
望遠鏡から覗いた丁度一年前の夜空
あぁそうかあれこそがカシオペヤなんだ。
嘘で名付けられたあの時の星は今どこにいるんだろう?
探せば探すほど虚しさが滲みる。
「二度と同じ日なんて来ることはないんだよ」と、
いつかの小説が語っていたけど、
同じ空は一年ごとに同じ軌道に乗ってやってくる。
望遠鏡から覗いた、ちょっと未来の夜空。
あぁそうかあの時はああすればよかったんだ。
悲しみと辛さと嘘で名付けられたカシオペヤ。
見つけた分だけ過去を思い出す。
「ねぇ、あの星は何?」笑いながら夜空見上げる君。
ぎゅっと握る僕の手を、星を指さすのに手放した。
「えぇとあの星はカシオペヤ」君を見つめながら答える。
そう今なら自信を持って答えられる。
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