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ゆめ現
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作詞 瀬海 |
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きみの手を引いて
小走りで渡ったあの橋
その向こうには
ぼくらの家があって、
ぼくは毎回
「カギがない!」って
ポケットさぐってたっけ
ぼくらのすむへやは
何階だったかな
手をつないだまま
階段で競争して、
きみのくつが
脱げちゃったことも
まだ覚えてんだよなあ
どこに忘れた?
胸に問う。 止まったままの
あのカレンダー
ぼくは触れないでいる
どこに落とした?
胸の穴は。 ぽっかり
じゃなくてぼっかりとあいた
もうておくれだ それなら もう
ばいばい
あれから月日はすぎ
真冬にふと見えたあの橋
川沿いにたつあの樹のことを、
きみは毎回
「さくらの樹だったらいいのに」
そう言っていた
きみのことだから
もう忘れたのでしょう
ぼくのために、
慣れない料理をするエプロン姿
とてもおいしいとは言えないけれど
愛のつまったやさしいカタチ
素朴でたいせつなカタチ
どこで失くした?
この現実は。 気づかず
通りすぎた電車
ぼくは唯観ているだけ
どこで気づいた?
この現状に。 遅すぎる
分かってる分かってる
でも分からない それなら ああ
さよなら
どこを見ている?
夕闇の輪。 先へ進む
それにはもう摑まれない
ぼくにはもうあとがない
どこを探そう?
甘い蜜の日。 見えないだろう
だからもう歩こう
ここは終点 いやいやまだ先がある
眩しい光を掴むように
そうやって そうやって
ぼくは明日のゆめ現を知る
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