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終電前に
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作詞 ase |
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あせることない
色付いて間もない君よ
また一段先手の届かないとこに
掴み掛かろうとするのですか。
外で水芭蕉咲いた
アメンボは四つ足点々と田を回る
霧雨がひどいので
ここはひとつ
青い傘を君にあげます
あせることないのに
変わらなくていいんだから
君が酷い奴に会って酷くなったら
僕は物置から大量のビール瓶掻き集めて
君の目の前で全部落とします
割ったが最後
もう戻れないのだと
遅すぎた僕の教訓を
君に浴びせ
このしなだれた両手で
その肩に手をかけるのです
青い傘を止めるボタンが壊れ
アメンボがぼちゃんと沈みこの時間が化石になる
そのときが
今の僕が恐れる何よりの
未来という名の変貌です
だけど君は
失っちゃいけないものは
僕を信じ込ませた
その失っちゃいけないものは
できたら一生涯まで取っといて
ああ まもなく
五月雨もうじき降らせる北風です
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