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内実の境
作詞 青葉巽
1.火薬が詰められた或るミサイルは
 未だ使われたわけでもないのに
 使う気があってのことだろうと
 人々は血みどろの感情を込めていく

 知識が詰められた或るロボットは
 既に幾多の実験を経ているのに
 実用化されていないのだろうと
 人々は同じ稲穂を見下していく

 私が今やって来た 端末室には
 「学術的な利用以外を禁ずる」とある
 私の執筆を どう鑑みるだろう
 
 ある時は たかが日記だろうと指摘をされながら
 自信の有る私は言い返していくのだろう
 ある時は 尤もな着眼だと指摘をされながら
 自信を失くした私はまたしても恥ずかしがるのだろう

 自ら育んだにせよ 注がれて受け持ったにせよ
 “実”を含んだカプセルの
 全てはいずれの司令塔次第

2.価値を含んだあらゆるコインには
 光沢の効く範囲と時間に限りがあって
 それらを超えたときは使い道が追いやられて
 記念品という価値だけが生まれていく

 コインと共に現在を生きた 持ち主には
 ついつい辺鄙そうな面持ちが窺われてしまう
 大きなコインなら 有望だったのか
 
 いやはや 算盤玉の桁数は指を置く位置を変えることで
 何百倍にも 何厘倍にも 移動できるのだ
 それなら 硬貨から紙幣へと形を変えたところで
 硬貨を見殺して 大き過ぎる夢を見ることも叶わなかったね

 自ら育んだにせよ 注がれるままの心にせよ
 “実”を含んだカプセルの
 全ては 皆が皆の心持ちに譲られる
 単位という武器が通じない 放射状の土石流
 
3.コインと共に現在を生きた 持ち主には
 ついつい辺鄙そうな面持ちが窺われてしまう
 新しい人たちは 何に準じたのだろう

 新しく設けた基準の中で騒いでいることに
 昔の人々こそが新人を辺鄙だと思う中
 古くからの基準に身を寄せる動きが出たところで
 昔からの人々は守られないのだろう

 新しい人々は 守るものとして 死に絶えることのない文化と
 いずれ死ぬ人の中からは 自分たちを選んでしまう
 公約を掲げるために 昔の人へ向けて 自分たちへ向けて 印鑑を押していく
 禁止と自由を両方兼ね備えた 表裏一体の朱印が押されていく

 外の世界との触れ合いに 尽きていくのだろう
 “実”を含んだカプセルの
 中では 鬩ぎ合いは起きていない

4.端末室では
たかが日記だろうと指摘をされながら
 自信の有る私は言い返していきながら
 尤もな着眼だと指摘をされながら
 自信を失くした私はまたしても恥ずかしがっていきながら

 短い歳月の中 “実”を含んだカプセルは幸せそうだね

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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歌詞タイトル 内実の境
公開日 2009/05/26
ジャンル 詩(ポエム)
カテゴリ その他
コメント 自分の解釈は、他人の解釈と合致させることができないということを、具体例の羅列と考察で示したものです。
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