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曇天と青
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作詞 N. |
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かつてこの地で咲き誇った花は枯れ
栄えていた時の名残を探しながら
また気付いてほしくて青い涙を風に乗せる
曇天は押し殺した溜息を
少年のうなじに吹きかけた
そっと体温さらっていって
その記憶をも不確かなものにする
裂けるような声を一声上げた後
心は身体は脆く崩れ落ちてった
この土に還るくらいならば風に身を任そう
未だ見ぬオアシスなんかないと知ってるけど
風に乗り高く空に舞い上がり
今さっきいた場所を見下ろした
太陽は近すぎたら熱くて
少年の頭をぼぉっとさせる
・・・そのとき、一瞬なにかがきらりと光った
青く見えたそれはすぐ何処かへと消え
少年の瞼に強く強く焼き付く
熱い頭でそのイメージを反芻していたら
またその光を見たいという思いが残った
だから少年はまたその地へ舞い降りてゆく
己が崩れてもなお美しいと思えるものがあるなら
そこまで全力で飛んでゆこうと
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