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嬰児噺
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作詞 雪之城朱雀 |
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母の胎内から吐き出された時には
もう母の息は既に絶え
その原因を父にお前だと責め立てられた
嬰児には何の見当も付かぬ
親が子を殺すのは
親が子を育てるのに苦を感じるからだ
自らが吐き出した子等と言う意識など何処にも無い
只邪魔な存在で在るだけだ
嗚呼哀しき哉
嬰児の幼き命は自らの母にて絶やされる
夢の揺り籠はもう遠き日の事で
生き地獄は未だ終わらぬ
何処かで失われてしまった優しさを
何故まだ欲するのか
嬰児にはまだ判らぬ
温もりを持て余し過ぎたか
嬰児への温もりは何処にも無い
弄ぶ玩具の如く嬰児は放って置かれる
母の背中を見ながら
木造の籠で安らかなる眠りを遂げるしか
嬰児には出来ぬ
育つ術など嬰児は知らぬ
母は見ぬ振りし続け嬰児を死なす
其の顔に後悔等欠片も無く
嬰児を憐れむ様子など無かろうに
嬰児は只大きな声で出して
泣き喚くだけなのだ
嬰児よ
安らかに眠るが良い
母の腕に抱かれて
嬰児よ
安らかな眠りを遂げるが良い
光の中に包まれて
嬰児よ
母の頬には涙無く
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