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銀杏シルブプレ
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作詞 はるか? |
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淡い黄色の街並に狂った赤の咲く夕に
一人取り残されぬよに 二人手を繋ぐ家路
しとしと続く信号機 今日も明後日の方を向き
つられて顔を上げたとき ふと見渡せばいちょう並木
ひらひら舞ってゆくように 終わりの見えぬこの先に
ほつれちぎれてゆく時に 冬を伝える風が吹き
思い返すその度に 淡い鼠色の二人
誰も望まぬ雨が降り 案の定また一人きり
耳慣れぬ言葉はやめて 優しい声であたためて
秋風に小指絡めて 歩き急ぐ足速めて
待つだけの時刻表なんて とうになくしてしまったね
棄てた筈の寒さ抱えて 落ち葉に埋もれて枯れ果てて
花咲くこともないままで いちょうのしんしん降る夕べ
腐葉土の上 手を伸ばして 甘い銀杏召し上がれ
二人の姿を写し取り そのまま閉じ込めるように
膨れ丸いビー玉みたいに 銀杏は静かに色づき
いつか木の芽の吹く頃に 季節思い出せるように
記憶は涙の数だけ目詰まり いまどんな気持ちだい
殻のまま化石になって 街路に混じりゆかないで
広がる二本の木の葉影 やわらかに木漏れ陽よ射せ
雷のただ中にあって 人の歩く音もなくて
いちょう並木に春が来て 空の流れてゆく方へ
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