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天穹の美少女と大地のみすぼらしい少年
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作詞 バーナード・ショー十三世 |
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夜の大気が すべてを切り裂き 凶暴に吼え狂う
鮮烈な 月光が 射す
白皙の少女の 荘厳な幾つもの翼が
深い夜闇に 不思議な 輝きを放つ
銀色の瞳(め)を持つ少女は
鬱蒼と茂る 森の 遥かな高みに浮いていた
風の咆哮に その少年の 泥に汚れたローブが
今にも 吹き飛ばされそうだ
茶色のローブを 交差させた双手で押さえながら
少年は 嘆願を込めるような瞳で
淡い銀色に光る 翼の少女の姿を見上げる
おまえは 人に何を与えられる?
私は 幸福に満ちた すべてを与えられる
願うだけ 望むだけ 数多(あまた)の扉を開こう
人は 大地に跪き 私を 崇め奉るだろう
そして証がなされる 私こそが真の神である と
私は 人に何も与えられは しないかもしれない
私は 人と共に生きていく 主に貧しい人々と
彼らに伝えたい 蒼い この惑星(ほし)は
無限の生命(いのち)に溢れていると
幸せになれぬ生命も この惑星に生きる事を
懸命に願い 最後の刻(とき)まで生きる
あまりに 幸せになりすぎると 誰しも
真に大切な真実は 観えなくなっていくものだ
愚かものめ それでどれだけの者が
おまえを 神と認め 崇め奉る?
おまえは 無残な敗北を認めるのだな?
それなら この惑星から 早々に去るがいい
誰も おまえの事など 気にも留めぬ
私は 神ではない
世界の あらゆる存在を あらゆる生き物を
平等に愛する存在(もの)
ただ それだけの存在にすぎない
あなたの前から この姿を消そう
しかし私は あらゆる生命と共にある
許されない事だが 永遠の生命を持って
最も美しき存在よ あなたも
永遠という名の 最も深い罪を犯している
決して 神などと名乗ってはいけないよ
最悪の偽善者め いつか私はおまえを殺す
覚えておくがいい 私は何度でも甦る……
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